郡山の古書店・古本屋ならここ!個性豊かな古本屋4店舗をご紹介。店主にきいた古本の魅力とは?

あなたは「古本」と聞いてどんなことを感じますか?
安い? 古くて汚い? 昔の本?
古本には、新刊にはない古本の魅力がたくさんあります。
今回は、郡山で古本を探すのにぴったりな古本屋4店舗をご紹介!
店主に聞いた古本の魅力も併せて紹介します。これを読んで古本屋に足を運べば、あなたも古本の魅力に取りつかれるかも!?
1. 郡山を代表する古書の老舗「古書てんとうふ」
郡山市安積町。のどかな風景の広がる住宅地の近くに「古書てんとうふ」はあります。
店先に大きな本棚が設置され、思わず足を止めて見入ってしまいます。扉を開けて一歩店に入ると、天井までぎっしりと本が並び、まるで物語の世界に迷い込んだかのよう。
古書特有の紙の香りが鼻をくすぐります。
お店の入口からみた店内の風景
店主の熊谷さんは山形市の出身。東京の古本屋で修行中に催事で郡山を訪れるようになり、生き生きとしたまちの様子に惹かれたといいます。
郡山駅前一丁目に初めてのお店を構えたのが1984年。当時はあふれる本を歩道にまで並べ、道行く人が本を手に取り楽しんでいたそうです。
その後、本店となる2号店を池ノ台に出店し、ますます躍進していきました。
そんな「てんとうふ」に転機が訪れたのが2011年3月。東日本大震災で店舗は罹災。棚から本が落ち、熊谷さんは腰まで本に埋まったといいます。
度重なる余震と原発事故の混乱のなかで、古本市場もいっきに冷え込みました。
2015年7月、自宅を改修し移転したのが現在の安積町荒井の店舗です。
天井まで届く本
お店の規模こそ小さくなりましたが、古書の老舗としてお客さんに愛され続けている同店。
「蔵書量? 2階建ての建物2棟はあるね」と熊谷さんは快活に笑います。お店の営業日こそ週に3日ですが、店休日にはお客さんの自宅まで買取にいっているそう。
50年以上古書に関わる仕事をしてきた熊谷さんですが、まだまだ新しい本との出会いがあり、それが楽しいといいます。
お店の約半分は福島の郷土資料が並んでいます。貴重な資料も多くあり、これを求めて市内外から訪れるお客さんも。
また、郷土資料に次いで多いのが哲学や医学などの「専門書」ですが、これは熊谷さんの好みでもあるそう。
「専門書を一冊つくるために、作家を中心にたくさんの人の知識や努力の積み重ねが必要になる。本を開いて、作家の努力が伝わってくることが楽しい」と、その魅力を教えてくれました。
貴重な郷土史も
「古書には一つとして同じものがない。古書を通して新しい出会いがあるから楽しい」と語る熊谷さんの言葉からは、古書への愛が伝わってきます。たくさんの人の手に渡り、愛され、てんとうふのの棚に並んだ古書は、どこか誇らしげに輝いて見えました。
哲学書や専門書にもそれぞれの面白さが
「明治5年に横浜で初めて作られたガス灯に火を灯した点灯夫のように、このまちに文化の灯りを灯し続けたい」
「てんとうふ」という屋号に込められた思いは、創業40年がたった今も、そしてこれからも変わらずに続いていきます。

| 古書てんとうふ 【住所】郡山市安積町荒井29-7 【営業日】木曜~土曜 【営業時間】10:00~18:00 |
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2. 雑誌やサブカルの古書がならぶ「Small Town Talk」
古書てんとうふからほど近い安積町荒井の住宅地の一角に、控えめにたたずむ一つのお店。
ガラス戸に書かれた店名は「Small Town Talk」。
2009年からこの場所で営まれている古本屋です。
ガラス戸が目を引く「Small Town Talk」
店内には、文机や木のテーブル、キャビネットに雑誌や芸術書、文芸書を中心とした古本が所せましと並べられています。
ちょっとした空間に座り心地のよいイスが置いてあったり、小あがりの和室があったりと、なんだか落ち着く空間です。
お店のいたるところに並べられる本や雑誌をのぞき込みながら本との出会いを楽しむのは、まるで宝探しのよう。

もともと本はそこまで読まなかったという店主の黒田さん。
映画や音楽が好きで、洋書や絶版書を求めて古本屋をめぐるようになったといいます。
開店当初は、長い年月をかけご自身で集めたたくさんの本が店頭に並びました。
黒田さんが特に好きなのは、雑誌のバックナンバー。
店内にも、サブカルチャー系を中心に、さまざまなジャンルの雑誌のバックナンバーが並びます。
「BRUTUS」の創刊号や「暮らしの手帖」の第二号もありました。

内容もさることながら、スポンサーが出している広告を見る事が楽しいという黒田さん。基本的に増版をしない雑誌は、当時の時代背景がそのままうつしだされるそう。
「今じゃ絶対に打ち出せないような写真とか、キャッチフレーズとかが広告にばんばん使われる。そういうのを見て、時代を感じると面白いなとおもいますね」

「これとか面白いね」「これもいいね」といいながら次々と本を開いて見せてくれる黒田さん。
心から楽しそうに話しながらページをめくる黒田さんの姿がとても印象的でした。

雑誌のバックナンバーや古い写真集は、「古書」という役割を、ある意味文芸書以上にまっとうしているのかもしれません。
あなたもSmall Town Talkのガラス戸をあけて、新しい世界に出会ってみませんか?
| Small Town Talk 【住所】郡山市安積荒井3丁目421 【定休日】水曜日 【営業時間】12:00~19:30 |
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3. 圧倒的な蔵書量「BOOK OFF安積店」
話題の本を安く買いたいという方にオススメなのが、「BOOK OFF安積店」。
2024年4月にリニューアルオープンし、それまで100円ショップが入っていた2階フロアもBOOK OFFとして展開しました。
1階には文芸書や実業書、女性向けコミックがあり、2階には少年コミックやトレカ・フィギュアなどがならんでいます。
本だけで10万点以上の在庫があり、店頭にはさまざまなジャンルの古本が並びます。

買取に力を入れ、なるべく新しい本や話題の本が揃うような工夫をしているそう。
人気商品や話題の本を1カ所にまとめた本棚には、本屋大賞受賞作やSNSで話題の本が何冊も並んでいます。
「この本がもう古本として出ているのか!」という驚きとともに、本との出会いに嬉しい気持ちになりました。

「ほとんど自店で仕入れたものです」と教えてくれたのは、BOOK OFF安積店社員の長谷川さん。
安積店は古くから町で親しまれていることもあり、仕入れ量が多い事が特徴だそう。
売れ筋や話題書はもちろんのこと、人気作家やロングセラーの商品も幅広く揃っています。
安積店のもう一つの特徴としては、新品の新刊コミックが売っているということ。
「お客様の求める商品をならべたい」という想いから、売れ筋のコミックを厳選して新刊で仕入れているそうです。

コミック類は基本的に2階フロアですが、新刊とセットコミックについては、足を運びやすい1階フロアに陳列しています。
古本だけでなく、最新の本も一緒に手に入るのは嬉しいですね。
新型コロナウイルス感染症の流行で、「立ち読み禁止」をお客さんにお願いすることになってしまったという同店。
それ以来、若い世代の来店が減ってしまったそうです。
長谷川さんは「老若男女に楽しんでほしい。2階フロアに広くコミックを陳列しているので、気軽な気持ちで楽しんでもらえれば」と話します。
2階フロアの半分を占めるコミック本
その時々の仕入れの状況によって、棚に並ぶ本が変わる古本屋。BOOK OFFならではのたくさんの古本のなかから、宝探しのようにお気に入りの1冊を探してみてはいかがでしょうか。
| BOOK OFF 郡山安積店 【住所】郡山市安積町3-5 【営業時間】10:00~22:00 【電話番号】024-937-5671 |
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4.アートブックの新星古本屋「MIGOTO BOOKS(ミゴトブックス)」
2025年10月、JR郡山駅から徒歩10分の清水台エリアに古本屋がオープンしました。店名は「MIGOTO BOOKS(ミゴトブックス)」。店主はグラフィックデザイナーの安達尚弘(あだちたかひろ)さんです。

店内には壁に面した背の高い本棚のほか、中央部分には平台のテーブルが配置されています。本屋というと、所狭しと本が並ぶイメージを持つことも多いですが、同店は空間を贅沢に使っている印象。その理由は安達さんが選び並べる本のジャンルにありました。
MIGOTO BOOKSに並ぶ書籍の多くは「アートブック」。さまざまな分野のアーティストの作品をまとめた本です。安達さんはそれらの本を表紙が表の「面置き」で並べるという特徴的な棚づくりをしています。
こうすることで、本の表紙の美しさだけでなく、紙の素材や装丁など細部のこだわりも感じやすくなるという工夫です。まさに、アートブックの良さを前面に出した本の配置方法といえるでしょう。

棚づくりの工夫のほか、什器ひとつをとっても自分の目で見て選び、置いてある本はすべて自身が説明できるという安達さん。その根底には、郡山のアート文化と審美眼を育てていきたいという強い想いがありました。
安達さんは郡山市出身。東京でアパレルやデザインの仕事をし、数年前に帰郷したUターン移住者です。郡山市に拠点をおいてデザインの仕事をしているうちに、首都圏に比べて地方ではアートの文化が希薄であることに気が付いたといいます。
首都圏で認識されているアートの価値が、地方では認識されていない。それはアートを楽しむというそもそもの土壌が育っていないため。安達さんは、「アートブックが手に取れる距離にある環境が大事」と考え同店オープンにいたります。読むための本屋ではなく、「見て感じて楽しむ本屋」の形です。

同店が位置する清水台のさくら通り沿いは、郡山市内でも学生や社会人が多く歩く通りです。「アートは触れる事が大事。必ずしも本を買わなくても、アートに興味のある若者たちが立ち寄って本を見てくれれば」。MIGOTO BOOKSは、安達さんのそんな願いを形にする本屋なのです。
通りに面した同店のガラスに施された「COFFEE TABLE BOOK(コーヒーテーブルブック)」の文字。これは、アートブックを含めた本のジャンルで、リビングや応接間などのコーヒーテーブルに並ぶ、少しの隙間時間を楽しむための本のことを指します。
すぐ手に取れるところにあるコーヒーテーブルブックのように、生活のなかのちょっとした場面にアートを取り入れることで、アートを楽しむ文化や土壌は少しずつ育っていくでしょう。
清水台の新しい景色「MIGOTO BOOKS」は、郡山に今までにない、本とアート文化の発信源になりそうです。
| MIGOTO BOOKS(ミゴトブックス) 【住所】郡山市清水台1-6-8八幡プラザ1階 【営業時間】12:00~19:00 【定休日】火曜・水曜 |
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5. まとめ
郡山のオススメの古本屋さん4店を紹介しました。
古本屋の魅力はなんといってもその「宝探し感」。
並べられ、時には積み重なった本のなかから、「これぞ」と思える本を見つけ出したときの高揚感は、他には代えられないものがあります。
たくさんの人の手に渡ってきた本が自分の手元にやってきたと考えると、なんだか不思議なご縁のようなものを感じてしまうことも。
ぜひ今回ご紹介した古本屋に足を運び、あなただけの出会いを探してみてください。
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